第15章 Return
「いや別に来たくて来たのではない。」
サボが連れてきただけだ!
「サボと2人で話したいんだが・・・。」
「出て行くよ。」
さすがのサボも引き止めなかった。
サボが話している間、エスメラルダはコアラと話していた。
「サボ君最近大胆になってきたね。」
「あぁ。」
「ねー、サボ君のどこが好きなの?」
「どこって・・・。」
「もしかして全部とか言っちゃう?」
「そう・・・だなぁ。」
全てを愛している。
「ふふふっ。かーわい!」
「コアラまで可愛い可愛い言うなよな。」
「サボ君が言う理由分かるなー。」
「え?」
「なんかね。そうやって恥らいながら本音を言うとことか可愛いなって。」
「べべべべべ別に恥らってなんか・・・」
「サボ君ねぇ。2年間の間元気なかったんだよ。」
そういえば聞いてない。
2年間のことを。
「メラルちゃんがいなくなったって傷心しながら帰ってきたの。」
「傷ついてたのか?」
「うん。」
「悪いことしたな。」
「仕方ないよ。」
「でも戻れたから私は嬉しいよ。」
二度とここには戻れないと思ってたから。
「そう言えばサボ君能力者になっちゃったから気をつけて?」
「知ってるけどなんで気をつけるんだ?」
「だって力入れすぎて火が出ちゃったりしたら火傷しちゃうよ?」
「大丈夫だよ。」
「信用してるのね。」
「あぁ。」
「あらら、サボ君来ちゃったからまたね。」
コアラは去っていった。
「エスメラルダ。」
「サボ、終わったか?」
「おう!」
サボは再び手を握ってきた。
「・・・。」
「ずっと一緒ならこんなこともできるよな!」
「好きにしろ。」
もう二度と離さないで。
ずっとずっと繋がっていて。
「何する?」
「あー、暇だもんな。」
「私はなんでもいいぞ?」
「じゃあヤ・・・」
「じゃなくて!別のこと!!」
「えー。」
「コアラに何かないか聞いてくるか?」
「コアラならいいかもな。」
「サボ。」
「ん?」
「何でもない。」
「可愛い。」
「・・・また言う・・・・・。」
「さ、コアラんとこ行こうぜ!」