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炎と星は愛を囁く

第2章 hello my story♪


『はぁ~…。今日もなんて退屈なのかしら…。』

広い広い部屋の中央にあるこれまた広いベッドの上でこの部屋の主エレンは今日もため息をついていた。

エレンは長い金色の髪を遊ばせながら父に渡されたお見合い写真を眺めていた。

『どれもこれもオジサンばかりじゃない…!せめて3歳上までだわ!!』

エレンの家は世界的にも有名な名家。このゴア王国の高町の中で王の次に偉い位だ。
そろそろ16歳になるエレンを嫁に狙ってたくさんの人が求婚をしてくるのだ。

『どうせ私を気に入って求婚してるんじゃなくてお父様のお金目当てのクセに…。あーあ、この屋敷から出て海に行きたい…。そうすればきっと¨あの人¨にも会えるのに…。』

エレンは生まれてから1度もこの屋敷から出たことがない。
エレンの父親はとても過保護で大事な一人娘の外出を許可したことは一度もない。
許されるのは屋敷の敷地内の広い広い庭だけなのだ。

『1度だけ…、後もう1度だけ¨あの人¨…サボ様に会いたいわ…。』

-----さかのぼること10年前-----

全く知らない人の誕生日パーティー。
こんなの5歳の子供にはつまらなすぎる行事だ。
エレンは退屈で退屈で仕方がなかった。
同じ年頃の子供がいなくてエレンは1人で隅っこの壁にもたれて立っていた。

?「ねぇ。もしかして退屈してる?」

『…!?』

そんな時、ふいにエレンと同い年くらいの男の子がエレンに話しかけてきたのだ。
声の方に振り向くとエレンと同じような金髪の男の子がエレンに微笑みかけていた。

?「退屈してるならさ…、このパーティー抜け出そうぜ!!」

『え…!?』

その男の子は飛びっきりの笑顔でエレンに言って見せた。
エレンはその人懐っこい笑顔に惹かれて男の子が差し出した手をキュッと握りしめた。

しばらく2人で走って屋敷の裏庭で来た。

?「ハァハァ…。この屋敷、君んちのでしょ?それにしても広いなぁ…。」

『あなた、私のことを知っているのですか…!?』


?「この町で君のこと知らない人なんていないと思うけどね…。知らなかったら声なんてかけてねーよ!エレンだろ?ずっと喋ってみたかったんだ…!!」
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