第9章 赤い華が咲く (裏表現あり)
着物はとっくに乱されている。布団の上であられもない姿を晒す私は、ただ坂田さんを見つめ、されるがままになっていた。
「お前、着痩せするタイプなの?」
「き、着瘦せって……」
さっき確かに、お酒と一緒におつまみや一品物をぱくついてはいたけど。こんなことになるなんて考えてもなかったから、欲に任せて暴飲暴食して……まさか下っ腹が復活してしまったのだろうか。気をつけていたのに!
「でけェよな、割と。何カップ?」
「なっ………!い、言うわけ……な…っん、」
いつもの私なら、胸の話かよ!馬鹿にしないでください!くらいは言えていただろう。でも今は、顔を赤くして細やかな抵抗をするだけのただの女だ。私も、坂田さんも____この妖しげな雰囲気に、やられてしまっているらしい。
坂田さんの唇が、うなじ、鎖骨、胸、と降りてくる。それに集中してしまっていると、片手で器用にブラジャーのホックを外した。あまり感じることのない解放感に、逆に萎縮してしまう。思わず隠そうと手を胸のあたりにやるが、それに目ざとく気付いた坂田さんが手を引っぺがし、片手で頭上に私の両手を纏めてしまう。
「や……っ、さ、かたさ…」
「やべェ、その顔。すげェそそる」
そして、空いている片手で私の胸を優しく揉みはじめた。ぐっ、と口を瞑り、変な声が出ないようにささやかな抵抗をする。柔らかい、とかなんとか言いながら胸に手を這わせていた坂田さんの指が、乳首を掠った。
「んあっ!」
顔に熱が集まる。今までも恥ずかしくなかったわけではないけど、ここまでではなかった。坂田さんはにやっと笑って、そこに顔を近付けた。
「ちょ、やめ……っ、あぁ…んんっ!」
彼の舌が、私のそこをぬるぬると舐めまわしている。初めての感覚におかしくなりそうだ。坂田さんはもう片方の手で、一方の胸を揉みしだく。私の手は解放されたが、完全に力が抜けてしまって抵抗する余地もなかった。
「声、我慢すんなよ。素直になった方が気持ちいいぜ」
そう、いつもより幾分か低い声で囁いた彼の目は、情欲の色で染まっていた。