第9章 *8話*
「仲直りしたんだろ?」
その仲直りの意味に、たぶんたくさんの意味が込められている。
先輩の目は、悲しそうだ。
「最初から分かってたよ、だから支えにでもなれればって思ったけど無理だった」
「そんなこと!!」
「あるよ。現に君は彼を選んだ。なぜなら支えてくれていたと気づいたからだ」
その言葉に、何も言えない。
ただ黙って先輩の気持ちに、罪悪感を覚える。
間違っちゃいない。
「もう少し早ければ、って考えたけど無駄だよね。だって、彼は誰よりも君が好きみたいだから。」
彼には到底、適わないよ。
そう先輩は言い、"じゃあね"と去って行った。