第6章 *5話*
「偉流さんが、君に対して接していたのは妹だと思っていたからだよね。でも、どこかで分かっていたハズなんだよ。事実を知れば望彩が傷つくことくらい」
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『望彩が知られたくない秘密があるように、俺にもその秘密がある。』
『望彩を傷つけるようなら俺は、自分が傷ついた方が数倍マシだよ』
お兄ちゃんの言葉を思い出す。
いつも、大切に思っていてくれてたのかな。
ずっと、見守っていたのかな。
「帰って、仲直りしようね」
「うんっ....」
君の横で笑うこと、君の横で幸せを感じること。
気づかせてくれたのは、いつも貴方でした。