第3章 浅黄色の旋風
「狙われるのはちゃんが悪いんじゃないんだから、気にしなくてもいいんだよ」
「でも……っ」
なかなか食い下がらない私に、沖田さんはため息を一つして、「じゃあ、」と続ける。
「そんなに言うなら、僕たちに迷惑をかけている分のお仕置き……しようか」
「へ!?」
確かに迷惑をかけて申し訳ないと思っていたが、まさかお仕置きなんて……
何をされるのか身構えていると、スッと手を握られた。
「屯所までこのまま帰ること。いいね?」
「え!?」
「拒否権はないよ。なんたってこれは、お仕置き……なんだから」
沖田さんに握られた右手は、大きくて暖かい温もりで包まれた。
「……これ……どうしたの?」
スッと手が離れ手首に回される。そこは先程浪士に掴まれたところだった。改めて見ると、強い力で掴まれていたからだろう。赤くなってしまっていた。
「さっき浪士に少し…でもそんなに痛くないので大丈夫です」
「……」
これくらいならすぐに治るだろうから…
そう言うともう一度手が握られた……先程よりも強く、ギュッと。
「沖田さん?」
「全く…これだから目が離せないって言ってるんだよ。こんな目に遭いたくなかったら、ちゃんと僕のそばに居てよね」
繋いだ温もりが右手から全身に広がるのに、時間はかからなかった。
了