第19章 過去の真実
私は立ち上がって言った
夏海「早く入らないと風邪引いちゃいますよ?」
ドアへと歩いていって振り向く
迅「ああ、もう少ししたら中にはいるよ」
私は立ち上がる気配のない迅さんを見て、中に入った
中に入り、階段を降りていくと京介がいた
夏海「修達はいいの?」
烏丸「今宇佐美先輩と作戦立ててる」
夏海「そっか」
私は京介の隣に並んで歩く
夏海「…………迅さんがね………私を助けてくれたんだって………」
烏丸「……うん……」
夏海「……お母さんたちは死んじゃったけど………迅さんが助けてくれなかったら……京介たちとは会えなかったんだよね………」
烏丸「……そうだな……」
夏海「………迅さんは何も悪くないけど……」
私はその場に立ち止まった
俯いた私の目から涙が溢れる
夏海「………でも………やっぱり………もっと一緒に……いたかった……!」
烏丸「……夏海………」
京介は優しく私を抱き締めた
京介の服を握りしめる
次第に私の口からは嗚咽が漏れた
夏海「………ごめん京介……」
落ち着いた私は京介から離れた
烏丸「いや、気にするな。俺は嬉しいから」
夏海「……え?………どうして?」
京介の言葉に驚いて顔をあげる
烏丸「夏海が俺の前で泣いてくれるってことはそれぐらい距離が縮まったってことだろ?」
夏海「……あ……そうか………」
烏丸「もっと泣いてくれていいぞ」
京介は私の頭に手を置いてニヤリと笑った
夏海「……な、泣かないよ!」
京介を軽く叩きながら京介に言われた言葉を考える
確かに今まで人の前で泣いたことなんてなかったかもしれない
それほど人を信用できるようになったということだろうか
それは素直に嬉しいし、もっとみんなと親しくなれたらいいと思う
それには、私が心を開いていく努力をしなければならない
もう、大切な人が居なくなるのは嫌だから
私が守れるように、もっと強く、
そして、仲間と戦えるように
これからも………