第17章 ボーダー復帰
キーンコーンカーンコーン
一日の終わりを告げるチャイムがなった
私と五月は急いで帰る用意をする
階段を降りているとき五月が急に立ち止まった
夏海「どうしたの!?」
早く帰りたい気持ちを抑えて聞いた
五月「ごめん…足つった…」
夏海「ええっ!?嘘でしょ!?」
五月はごめんと言った
私は親友をおいていけるはずもなく、ゆっくりと歩いた
玄関前で靴を履いて上靴をしまったとき、五月にものすごい力で引っ張られた
五月はどんどん走っていく
夏海「ちょっ………ちょっと!!五月!足つってたんじゃ………!!」
五月は中学の時陸上部だったため走るのが早い
今度は私の足がつりそうだった
いつも帰っている裏門とは反対方向へ走っていく
校門が見えてきたところで私は息を飲んだ
必死に足を止めようとするが五月がそれを許してくれない
校門の前には、出水先輩、陽介先輩、三輪先輩、時枝君、佐鳥君、京介がいた
夏海(ど、どうして!?)
「やだやだやだ!!止まって!!」
京介たちの前まで来て、五月は急に止まった
それと同時に手を離される
私は止まることができずにそのまま京介の胸へ飛び込むかたちになった
必死に逃げようとするが京介に抱き締められて動けない
その時頭上から声が聞こえた
烏丸「ありがとう。要」
要「いいよ。大変なのはこれからだろうけど」
私は顔だけ五月の方に向ける
夏海「五月!!どういうこと!?」
五月「裏切るようなことしてごめんね。頑張って」
五月はとてもきれいに笑った
それを見て私は京介に引っ張られた
夏海「離して!京介!!」
烏丸「離したら夏海、逃げるだろ?」
逃げるけど
夏海「に、逃げない!だから離して!」
はぁ、とため息をついた京介の力が抜けた
私は手を抜いて今来た道を戻ろうとする
だが、先輩たちが前に立ちはだかった
夏海「うっ……」
出水「逃がさねーよ?」
烏丸「ほら。逃げた」
耳元で声が聞こえたと思ったらフワリと身体が宙に浮いた