第8章 覚醒と勝敗
「名前っちぃぃぃ!!勝ったっスよ!!」
「お前はいつも1番最初に報告に来るな」
「だって!勝ったんスよ!!」
「はいはいおめでと。まあ勝たなかったら肝試しだもんねぇ…当たり前だ」
「その割には名前ちゃん不安そうに見てたけどねー」
「さつき!そんなどうでも良い事言わなくていいの!」
怒っている苗字に「可愛い」と言った黄瀬は次の瞬間彼女から全力で殴られ、痛いのかうずくまっていた
そんな彼は置いておき、苗字は赤司に近づいた
「お疲れ様です征十郎さん」
「ああ、お疲れ様」
「…僕じゃ、ないみたいですね」
「…ああ、あいつは消えてしまったよ」
「!!まさか、赤司君が覚醒したのって…」
「あいつの天帝の眼と、オレのが融合したからだ。だからあいつも消えたんだ」
その言葉に彼らの空気が少々重くなったが、「だが、オレも僕も、赤司征十郎だからな」という赤司の言葉で一気に雰囲気が軽くなり、彼らから笑みがこぼれた
「じゃあとりあえず休憩したら撤収して紫原のために病院行くぞー」
「景虎さん顔が緩みまくってんな…」
「そりゃあ六本木代戻ってくるからな!」
「(相田家の未来がかかった勝負だったものね…!)」
「なんか、呆気ねぇな…」
「だからってもっかいやるほどの体力もう残ってねぇぞ…」
「いいから早く、上着て撤収!!」
「と言いたい所ですが、記者がお話を伺いたいと来てますよ?」
桃井の言葉に彼らが帰り支度していたにも関わらず振り返るとカメラマンとレポーターが何人か立っており、彼らを数十分の間拘束することになった
それでも彼らが嬉しそうなのは、やはり勝ったからなのだろう。そのせいなのか、カメラマンもレポーターも笑みを浮かべていた