第7章 「天帝の眼」と「魔王の眼」と「本気」
そしてこれは数日前の話、赤司が彼らを呼び出した時の事
「なんだよ赤司、話って…」と聞こうとしたが真剣な表情をしている彼に呼び出された彼らは「…?」と不思議そうな顔を浮かべた
「研究の時にオレが言った事を覚えているか?」
「?ああ…赤司っちナッシュとは相性悪いかもってやつっスか?」
「ああ。そしてもしオレの予想通りなら、オレがナッシュを倒すためにはおそらく天帝の眼が必要になる」
「…!」
「だが天帝の眼は本来のオレの能力じゃない。使うと必然的に持ち主に代わる必要がある
つまり試合中もう1人のオレに代わるかもしれない。もしそうなった時はできるだけ慌てずにプレイを続けて欲しい」
「…ちょっ…えっと…じゃあ今あの眼は使えないんスか?」
「いやそういうわけじゃない。逆もそうだが要はどちらのものかということだ。使えるが持ち主には敵わない」
その話を聞いた紫原は「…え~?深刻な顔して何かと思ったら話ってそんだけ~?終わったらな戻っていーい?おなかへったし~」と呑気に言っており、その後ろで青峰も欠伸をしながら「オレも」と賛同した
そんな彼らに赤司は思わず目を見開いて、驚いた表情を見せた
「お前たち…」
「大丈夫なのだよ。わざわざ話さなくても皆お前のことはわかっている」
「赤司君は赤司君でしょう。何も変わりませんよ」
「…そうだな」
その記憶を思い出す彼らの耳には興奮する歓声が聞こえた
観客は「うっ…うおおスティールー!?速いっ…と言うより…DFの方が一瞬早く動いてなかったか!?これはまさか…」と赤司の事をわかっているようだった
だがそれを知らないJabberwockの選手は[バ…バカな…ナッシュのパスをカットしただと…!?]と驚き、ナッシュも動揺を見せた
[(どうなっている…コイツも変わった…?だが…さっきの2人の変化とは何かが違う…まるで別人だ…!)]
「アウトにしてしまったか、久しぶりでつい気が逸ってしまったな。まあいい…次は殺る」
[…ああ?]
「もう1人の赤司…代わるかもとは聞いていたが、改めて見るとやはり今までとは違う威圧感があるぜ…!!」
「けど…味方となれば今の赤司っちほど頼れる存在はいないっスよ…!」
それは全員が感じているのか、みな笑みを浮かべていた