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始まりは体育館で

第4章 一目惚れの相手は


次の日、まだもやもやした気持ちが残ったままだったが、体育館に行き、個人戦の応援をした。

だけど、気づいたら九ノ瀬さんを目で追ってる。どうしてだろう。きっと、理由も無く追ってる。

これが恋なのかな。あーもうなんなんだ。やっぱり私、バカなのかな。
莉穂「あーかり。何難しい顔してんの?もしかして、昨日のこと。そんなに気にしなくてもいいと思うよ。」
明里「そ、そう?でもやっぱり気になるなぁ。」
琴音「じゃあさ、確かめてみればいいんじゃない。」
明里「確かめる?何を?」
琴音「だから、明里ちゃんが九ノ瀬さんの事を、好きかどうか。」

え、なんじゃそりゃ?

莉穂「それ、どうやってやるの?」
琴音「やり方は簡単。明里ちゃんが九ノ瀬さんを見るか、見ないか、それだけ。」
明里「何それ」
琴音「だから、明里ちゃんが九ノ瀬さんを見ていたら、好きってこと。九ノ瀬さんを見ていなかったら、好きじゃないってこと。分かった?」
莉穂「それもう答え出てるじゃん。ね、明里。」
明里「なんでもう答え出てるの?」
莉穂「だって明里さっき見てたもんね、九ノ瀬さん。」
明里「は?!べ、別に見てないし。」
莉穂「あー動揺してる。やっぱ見てたんだぁー」
琴音「そうなんだ。だったらもう答えは出た。明里ちゃんは九ノ瀬さんの事が好きなんだよ。」
明里「でも、私これが恋なのか全然わかんない。どうすれば分かるの?」
莉穂「明里、自分でわからない恋ぐらいあるよ。みんなある。だけど、その人のこと考えてるとたんだん、あっ、私この人のこと好きなんだって思えるようになるの。」
琴音「そうだよ。莉穂ちゃんの言うとおり。私も始めそうだったよ。」
明里「今の彼氏と?」
琴音「うん、モヤモヤした気持ちだけが残って、スッキリしない日々が続いた。だけどだんだんと過ごす時間が増えて行くと分かるの。この人のこと好きになったなって。」
莉穂「ほら、琴音ちゃんも言ってるんだから大丈夫。がんばれ、明里。」
美香「私も応援するよ。明里ちゃんのコイ。がんばってね。」
明里「みんなありがとう。なんか元気出たわ。そうだ、今週の土曜日、遊びに行かない?」
莉穂「切り替えはやっ。でも私は大丈夫だよ。」
琴音「私も大丈夫だと思う。」
美香「それって、私も行っていいの?」
明里「もちろん。じゃあ、土曜日みんなで行こうね。」
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