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始まりは体育館で

第3章 一目惚れ


ナイス! 先一本!

ドンマイ! ラスト!

みんな頑張ってるな。私もやらなきゃ。

明里「近藤先輩ナイス!綾華先輩先一本!」
莉穂「おっ、明里もやっと声出てきたね。てゆうか、さっきまでどこ見てたの?」

それはもちろん、足ドンさんじゃなくて、九ノ瀬さん。さっき知ったんだ、ゼッケン見て。九ノ瀬さん凄いんだよ。さっきからずっと勝ってるの。ほんと強いな。

莉穂「…かり…あかり、明里!」
明里「ん、何?」
莉穂「何?じゃないでしょ。綾華先輩、もうすぐ勝つよ。」
明里「えっ、ほんと。あっ、ほんとだ。綾華先輩、ナイス!」
莉穂「そうそう、ちゃんと声だしてね。」
明里「うん。あっ、やったー勝った!」

ついでに、向こうで試合やってた九ノ瀬さんも勝ったみたい。よかったよかった。

美香「何がよかったの?」
明里「え、なんの話?」
美香「だから、向こう見ながら、よかったよかったって言ってたから。何かなって思って。」

私声出てた。うそ、うわぁーなにやってんだ私。こんなことを莉穂達に聞かれたら、なんてからかわれるか…

琴音「なんの話してるの?私にも聞かせて。」
莉穂「あっ、私も聞きたい。明里がなにしたの?」
速っ。もう食いついてきたよ。
美香「それが、さっき明里ちゃんが、向こう見ながら、よかったよかったって言ってたから、気になっちゃって。」

美香ちゃんも言わなくていいのに。

琴音「向こうって何があるの。あっちって男子の方だよね。」
莉穂「男子…男子…あっ!分かった!明里、足ドンさんのこと見てたでしょ。」
明里「足ドンさんじゃなくて、九ノ瀬さん!」
莉穂「へぇー。明里、もう名前知ってるんだ。」

しまった。自分で墓穴掘ってどうするんだよ。はぁ
もうこの際どうなってもいいや。

明里「そうだよ。知ってるよ。さっきゼッケン見たら九ノ瀬って書いてあったんだもん。」
琴音「確かに、九ノ瀬って書いてあるね。見にくいけど。よく分かったね。」

そりゃ、がんばったもん。

莉穂「まぁ、いいんじゃない。私、明里の恋、応援するよ。」
明里「は、 コイ 何のこと?」
琴音「明里ちゃんもしかして気付いてないの。明里ちゃん、九ノ瀬さんに恋してるんだよ。」

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