第11章 🍏Story10🍏 本当の気持ち
「......用件はそれだけですか?」
「はい......お邪魔して、すいませんでした。
じゃあ俺は、失礼します......」
俺はお辞儀をしてその場から逃げるように職員室から出て行った。
あんな怖い藤ヶ谷先生、初めて見たな......
あれって自分のクラスの生徒がっていうわけじゃなくて......
『藤ヶ谷先生が、百合のことを好きだみたいな事を言っていて......』
琴吹だったからかな......
やっぱり、琴吹が好きなのは藤ヶ谷先生で......
藤ヶ谷先生が好きなのは琴吹......
っ結局両想いじゃん......やっぱり、
俺の片思いだったんだな......。
「やっぱり俺が、諦めるしかねぇよな......」
「北山先生......」
「っk...高地......?」
保険室に行こうとした時突然前から高地に話しかけられた。
「5時間目の途中まで、先生のとこにいたんでしょ百合......」
「っあぁ......俺が、無理やり引っ張って行っちまったんだ(苦笑)
それで、横尾先生と藤ヶ谷先生に謝ってきたんだ......」
「そうですか。」
「あぁ......ところでお前はどうしたんだ?
どっかケガでもしたのか?」
「いえ、違いますよ。
ちょっと......先生の本当の気持ちを確かめに、来たんっすよ。」
っ俺の本当の気持ち?
一体何のことだ......?
「......『お前のまっすぐな気持ちを伝えろ。』」
「っ......」
っその言葉......
「これ、昨日北山先生が俺にアドバイスをくれた際に言ってくれた言葉です。」
「っ......」
「すなわちこれは、“自分の気持ちに正直になれ”ってことですよね?
だから、アンタも自分の気持ちに正直になったらどうですか?」
「ぇ......?」
自分の気持ちに、正直に......