第11章 🍏Story10🍏 本当の気持ち
「......琴吹の様子が変というのは、貴方のことで悩んでいたんじゃないですか?」
「ぇ......」
「ちょっと藤ヶ谷先生、いきなりどうしたんですか......」
「......琴吹はあくまで俺のクラスの生徒です。
琴吹にかかわらず、俺の生徒を傷つけたら......
誰でも許しませんから......」
「っ......」
「一人の生徒を贔屓に扱うのもいいですけど、
そういうのは反感を買うことも多いですから気をつけてください。
琴吹とも、必要最低限に関わらないでください。」
もうこれ以上琴吹を、この人と関わらせたくないって思ってしまった......。
「やっと進路も定まってきたのに、こんなことで潰れて欲しくないですから。」
「っそう、ですよね......もうすぐで3年にもなっちゃいますからね......」
「だったら今後、このようなことを起こさないようにしてください。
うちの学校で10分以上の遅刻は欠席扱いになります。
欠課時数は進路関係には大きく響きますからね......」
「っすいません......」
どうもこの人に冷たい態度を取ってしまう......
それに琴吹とこの人が関わっただけで、凄く胸が締め付けられた......。
この気持ちは一体何なんだろう......
「......用件はそれだけですか?」
「はい......お邪魔して、すいませんでした。
じゃあ俺は、失礼します......」
宏光はお辞儀をし職員室を出て行った。
「......。」
「藤ヶ谷先生、急にどうなされたんですか?」
「いえ、何でもないですよ。」
「そう、ですか?」
「えぇ。琴吹のことに関しては、やっぱり欠席扱いですか?」
「まぁそうですね(苦笑)
どんな理由があれ遅刻は遅刻ですから......でも
琴吹の成績、日頃の態度、欠席日数に問題はありませんから
そこまで心配するほどのことじゃないですよ。」
「っそうですか......」