第10章 🍏Story9🍏 それぞれの思い
百合side
「っ......」
百合は駆け足で教室に向かっていた。
「......あ、琴吹ー!廊下走っちゃダメだろ(笑)」
「っ北山先生......」
ちょうど前から宏光が歩いてきた。
「生徒会長が廊下走っちゃダメじゃん(笑)」
「っすいません......」
軽く受け流しその横を通ろうとする百合。
「......はーいちょっと待った!」
だが横を過ぎる前に腕を宏光に掴まれてしまった。
「っなんですか......!」
「また深刻そうな顔してる......今度は何があったんだ?」
「っ関係ないですから......」
「でも悩み事はあるんじゃねぇの?」
「っそろそろ授業が始まるので......手離してもらってもいいですか?」
っどうしよう......北山先生にも冷たい態度取っちゃったよ......
「......。」
だが宏光はその手を離そうとしなかった。
「っ......」
っなんで離してくれないの......?
「......5時間目サボるか?」
「......は?」
先生の口から出たとは思えない言葉......私は思わず呆れの声を出してしまった。
「琴吹成績いいんだろ?だったら少しくらいサボっても平気だろ。」
「っ何言ってるんですか......?」
北山先生の言ってることがよくわからない......授業をサボる?
そんなの、出来るわけないじゃん......これから大事な時期になるっているのに、
授業に出ないだなんて......
「たまには息抜きも必要だぜ?」
「っ息抜きって......」
授業サボるのが息抜きだって言うの?
「っ次横尾先生の授業なんです......そんな私情でサボったら怒られますから......」
「俺が言っとく、だから琴吹は気にすんな!」
「気にすんなって......」
どっちにしろ私も怒られるじゃん......
「とにかく来い!」_グイッ
「っきゃ、北山先生......!」
百合は宏光に腕を引っ張られるがまま連れて行かれた。
っどうしよう......汗