第4章 🍏Story3🍏 少し見えてきた希望☆
ファイルを宏光に渡した百合。
「っじゃあ......私はこれで失礼しますね。」
用事を済ました百合は保健室を後にしようとする。
「っ......待って!」
ぐいっ!
「ひゃいっ!?」
宏光は思わず百合の腕をつかんだ。
勿論突然腕を掴まれた百合は驚きを隠せていなかった。
「っごめん......良かったらさ、もう少し...何か話さない?」
「ぇ......?」
「っ......」
(俺、何言ってんだろ......琴吹だって早く帰りたいだろうし......)
百合は目をパチクリさせていた。
「っごめん急に引き留m..「大丈夫ですよ。」......へ?」
琴吹今なんて......
「どうせ今日は部活もないので......私で良ければ!」
「っ......」
ニカッと笑う百合。
「帰っても、みんな働きに行って誰もいないし......(苦笑)」
「そ、そうなんだ......共働きなの?」
「はい。父はジュエリーショップの社長、母はドレスデザイナー、
兄は父の会社で働いています。」
「す、凄いね......(苦笑)」
「だから......皆帰りが遅いんですよ(苦笑)」
「......寂しいの?」
「っ......いえ、もう慣れっこですよ(笑)」
一瞬百合は顔を歪めたが、また無邪気な笑顔に戻った。
「寂しいんだ......」
「っ違いますもん!......確かに、
最初は少し寂しかったです。っでも...もう慣れましたから......」
「......。」
(今の琴吹、何か凄く悲しそう......)
「それに!優吾とは家が近くなので、
たまに夕飯をご馳走になったりするんですよ(笑)
だから、寂しくなんかないです!」
ボソッ
「無理して笑うなよ......」
「ぇ......」