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セレスタイトの歌声【サモンナイト2】

第9章 ラブラドライトの叡智


誰かが遠くで泣いている。

目を開けているか閉じているかも分からなくなる程の闇に、ルヴァイドは独り佇んでいた。

──死なないで…
──ごめんね…私のせいで…

必死に名を呼んでくるのは、愛しい人の声。

「──アレス…」

手を伸ばそうにも、鎖に巻かれたかのように体が動かない。そして猛烈な寒気に襲われていた。

「俺は…死ぬのか…?」

何度か瀕死の淵に立った事はあるが、今回ばかりは死の気配がそこまで来ていることを感じ取る。

デグレアにおいて逆賊の息子となり、不遇を強いられては何度死にたいと思ったか。しかし望んだ時には訪れず、今こうしてやって来る死神のたちの悪さと言ったら。

──…ヴァ…ド…

声が掠れていく。
いや、自分の聴覚が失われていく。
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