第2章 ターコイズの守護
お茶を入れてしばらく談笑した後、アグラバインお手製の猪鍋をご馳走になったアレスたち。
各々就寝準備に取り掛かり、家の明かりが落とされた頃。
アレスは厭な胸騒ぎを感じていた。
言葉には表現しにくいが、石がまるで空気のざわめきに共鳴しているかのようである。
気になって眠れないアレスは暗がりの中リュックを探しだし、中からオイルライターを取り出すと、目当ての石を手に取った。
揺れる灯火の中で目を凝らし、愕然とする。
身代わり石とも呼ばれるターコイズの丸玉に、大きな亀裂が入っていた。
石の声に耳を傾ける人間として、ターコイズの破損は我が身に危険を知らせる警告に他ならない。
「皆にも知らせなきゃ…!」
アレスが勢いよく立ち上がった瞬間、爆発音と振動が彼女を襲った。