第6章 愛?愛、愛…
anotherstory〜小野side〜
今日はスタジオで遥ちゃんと神谷さんと仕事だ。
神谷さんは少し、遥ちゃんを心配している顔だった。
俺は全く遥ちゃんの役に立っていない。
神谷さんが正直羨ましい。
多分、好きなのだろう。彼女の事が。
俺だって好きなんだ…って言いたいのに言えない現実。
その彼女から、俺たちに質問された。
「愛って何ですか」
それは俺にもわからない。
この質問で俺がわかったこと。
それは、彼女は恋愛をしたか、告白されたかの二択。
でも、彼女は好きな人がいるなんて言わないし、ありえない。
だから、告白されたのだろう。
俺はもう…いい歳こいたおっさんだ。
だから、彼女をできるだけ笑顔でいさせたい。
こうして、咲いた花はまた誰にも知られずに散っていった。
2つの花は同じような理由で散ってゆく。
彼女に知られずに…ただ…大好きの言葉を伝えれなかった。
彼女は知らない。自分がこんなに愛されていたことを…
anotherstory〜小野side〜End《2つの花》