【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第9章 春が来るまえに
「3年間あっという間だったなー。」
「それ何回言うの。」
帰り道、立花と菅原は二人きりになって何度目かのやりとりをした。
「何回言ったって良いじゃんか。みーも無事卒業できて良かったよ。」
「うん。一年前の今頃はこんなの想像できなかったよね。」
「ほんとだよー。今となっては日向と影山の追試に感謝だな」
「そうかも。」
ふふっと立花は小さく笑った。
「こうしてみーと登下校するのも最後なんだな。」
「うん、そうだね……。」
「最後だし、手でもつないどく?」
菅原が一歩前に出て、手のひらを上に向けた左手を差し出す。
立花はその上に自分の右手をのせると、優しく繋がれた。
「こうちゃん、これからもよろしくね。」
「春が来るまえに」Fin.