【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第7章 アザレア
「私、たぶん仙台の大学行くと思う。」
立花がぼそりとつぶやいた。
「そっか。じゃあ実家から通えるな。」
「こうちゃんは、やっぱり浪人?」
「そうだなあ。部活優先しちゃったし、それもありかな。
まあ、1つか2つは受けると思うけど。
今のままだと受かるか怪しいし。」
菅原は椅子に寄りかかってコーヒーを飲みながら答える。
立花は恐る恐る言葉を繋ぐ。
「それってさ、東京……?」
「ん?」
「東京の大学に行っちゃうのかなって。今まであんまりそういう話しなかったから……。」
「いや、それは考えてないかな。一人暮らしってお金かかるし。
どうしても東京に行きたい理由もないし。」
「そうなんだ……よかったあ。」
立花が安心した表情で何度もよかった、とつぶやいた。
「みーもこっちにいるしな。」
彼が思わずそう零すと、立花は恥ずかしさから聞こえないふりをした。
「息抜き、また今度行こうな。」
「うん。でも私、今息抜きできてるよ。こういうの好き。」
彼女がそう言ってふわりと笑ったので、菅原は嬉しく思った。
つづく