【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第6章 まわりみちの行方(後編)
「いや、急な思いつきだから。
でも、それも悪くないかなって思って。でもさすがに……」
「あのね、」
菅原の声をさえぎって立花は答えた。
「私、ずっとそうなったらいいのにって思ってた。
でも幼馴染なのに、そんなこと考えるなんて気持ち悪いなとか、
ていうかこうちゃんは絶対私のことそう言う風には見ないだろうなって思ってた。
だからずっと黙っとこうって思ってた。」
今度は菅原が驚く番だった。
思わずカップを落としそうになり、テーブルに置く。
「俺も、同じこと思ってた……。」
立花の前に座って、大きく息を吐く。
「よかったあ。気まずくなったら冗談だって言って逃げるしかないと思ってた。」
菅原はそう言って笑った。
立花もカップをテーブルに置いて、遠慮がちに彼の首に抱きつく。
菅原は一瞬戸惑ったが、そっと背中に腕を回して抱きしめる。
髪をなでてそのまま少し力を入れて頭を抱き寄せ、耳元に顔を埋めると
「こうちゃ……くすぐったいよ。」
立花がクスクスと笑う。
「ん、もうちょっと……。」
菅原がそうささやくので、立花は目を閉じてそっと彼の匂いを胸に吸い込んだ。
「アザレア」につづく