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【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)

第6章 まわりみちの行方(後編)


日向の携帯が鳴る。西谷からだった。

「おい翔陽、今どこだ!?」

菅原が顔を寄せて、電話の声を聞こうとするので、日向はスピーカーに切り替えた。

「学校の近くです。」

「だったら国道に出ろ。まずいぞ。
仲間の車と合流するみたいだ。
国道を南に向かう側で待機してるから、恐らくそっちを通るはずだ。」

「分かりました。俺自転車あるんで、それで追います。」

日向がそう言うと、菅原が口をはさんだ。

「西谷、車みたら車種とナンバー教えてくれ。あと、みーは無事か?」

「スガさん!?……分かりました!
立花さんは無事です。がっちり掴まってて手が出せないですけど……。
でもいざとなったら俺が身代わりになる覚悟で突っ込みますから。」

西谷は菅原の声に驚いたようだが、
今はそれどころじゃないと判断して、細かいことは聞かなかった。

西谷の力強い言葉に、菅原は少しほっとして、
入りっぱなしだった肩の力を緩めた。

「ありがとう。西谷も無理するなよ。」

電話を切って、日向と菅原は国道へと急いだ。

「自転車、菅原さんが乗りますか?
俺、後から走って行きますよ。」

日向の申し出に、菅原は首を横に振る。

「いや、俺より乗り慣れてる日向の方が確実だろ。
俺じゃ見失うかもしれない。それが一番怖いからさ。
だから頼んでいいか、日向。」

「……はい。」

菅原の優しい口調に日向の胸には反省と後悔が湧き上がる。

(俺のせいで、こんなことになってるのに……。)

その時、西谷から二度目の電話がかかってきた。

「もしもし」

「車乗ったぞ。思った通りそっちにまっすぐ向かってる。
俺も走って追ってるがさすがに見失いそうだ。
黒いワゴンで、ナンバーは……」

スピーカーからの西谷の声に集中する。

「分かりました、あとはこっちで探します!」

日向と菅原は国道に身を乗り出して西谷に伝えられた手がかりの車を探す。

「いた。信号で止まってる。日向、頼んだぞ!」

「はい!場所が分かったらすぐ連絡します!」

日向はペダルをぐっと踏み込んだ。

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