【ハイキュー】その日まで(poco a poco3)
第4章 まつりのあと
「花火も終わったし。帰るべ。送ってくよ。」
澤村はそう言って立ち上がる。
「あ、このまま解散?」
バレー部のLINEグループに入っていない立花は流れ解散になったことを知らない。
澤村が簡単に説明する。
「時間も遅いし。人も多いからもう一度集合するのもなんだしな。」
「そっか……。」
「スガに電話してみるか?」
立花の心の中を読んだように澤村がスマホを取り出す。
「ううん。いい。たぶん、潔子ちゃんと一緒だし。」
そう返事をしたとき、澤村のスマホが鳴った。
「噂をすれば、だな。」
そう言って、澤村は電話に出る。
「もしもし、スガ?」
「あ、大地?俺と清水二人でみんなとはぐれちゃってさ、
これから送って帰るけど、大地、みーのこと頼んでもいいか?」
「ああ。ちゃんと家まで送ってくよ。こっちも二人ではぐれててさ。他の連中のことは分からないけど。」
「え、なに。そっち二人きりなの?」
「おう。心配すんな。俺は紳士だ。」
「……くれぐれも頼んだからな。」
菅原のテンションが明らかに下がったのがおかしくて、澤村は笑いをこらえる。
「じゃあさ、学校で待ち合わせして4人で帰るか。
家の方向的に、俺が清水送ってった方がスムーズだろ。」
澤村の提案に、菅原は了承して電話は切られた。
「立花、一回学校戻るぞ。そこでスガと交代するから。」
「え?」
澤村の言葉に、立花の表情がぱっと明るくなる。
(やっぱり、スガじゃないとだめなんだよなあ。)
そんな彼女に、澤村は苦笑いする。
「体調は大丈夫そうか?」
「うん。おかげさまで。ありがとうございました。」
「よし、じゃあ行くべ。」
二人は並んで歩き始めた。