第5章 Episodes櫻井:優しさの裏と表
「君の幼馴染みは性格が本当に悪いね
色んな男をたぶらかしてる」
相変わらず顔を見せれば
人の悪口をボロボロこぼした。
「お前にセリナの何が分かるんだ」
それでも俺にはセリナしかいなかった
誰も俺を見てくれない中、
セリナだけは。セリナだけ、
俺を俺と認めてくれた人なんだ。
例えそれが本当の事だとしても
否定したかったんだと思う。
「君の目は節穴だね
知らないのか?彼女の本当の姿」
「どう、いう意味だ」
「この僕には萌乃がいる
萌乃が傷つくのは許せない
この意味は、わかるね?翔くん」
つまり、
セリナが萌乃を傷つけてるということか?
「確かに僕は女の子が好きだ
どんな子にも可愛いとは言うけど
萌乃が世界一だ。それは断言する」
「…っうそだ。それに、俺は…」
萌乃が傷つこうがどうでもいい
そんなこと、口にできなかった。
あんなんでも妹だ。
だから、俺は
確かめたかった