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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第7章 山を彩る衣



=回想=

ここはイタリア中西部
トスカーナ州フィレンツェ

街並みにひっそりとたたずむ食堂
"トラットリア・アルディーニ"


タクミ
「日本だって!?」

当時タクミはまだ13才だった。

タクミ
「おじさぁん・・・意味わかんないよ。今更料理学校・・・しかもどうして日本なんかに行かなきゃならないんだ!?」

タクミの叔父
「いやいや、世界レベルでも有名な学校なんだ。行って損はないと思う。店の事は心配しなくていい、思う存分腕を磨いてきなさい!」

叔父の言葉に少し戸惑った様子のタクミ

タクミ
「・・・イサミはどう思う?」

イサミ
「兄ちゃんが行くなら行くー。」

弟に意見を求めるが間延びした返事しか返ってはこなかった。


タクミとイサミは双子の兄弟で日本人の父とイタリア人の母を持つハーフだ。

実家の料理店を5歳の時から手伝っていたが、父方の叔父の勧めを受け中等部2年から遠月学園へ編入することになる。

イタリアへ帰るまでにあらゆる技術を身に着け、アルディーニだけのイタリアンを作り上げようと必死になっていた。

タクミ
(同年代の料理人に負けるわけにはいかない。俺はもう職の現場で戦っているのだから・・・)

けれどもその意志はどこか少し冷めていた。

ところがこの春、その冷めた意志を再び熱くする事件が起きた。

それは高等部に昇格した日に聞いた、ある編入生のあいさつだった。



幸平「客の前に立った事もない連中に負けるつもりは無いっす。入ったからにはてっぺん獲るんで!」



その瞬間、タクミは彼こそが自分のライバルだと確信したのだ。

=回想終了=
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