第2章 極秘の編入・・・?
自分に居場所などないと思っていた。
だって、自分は化け物だから。
「居場所は作るものさ!」と誰かが言っていたけれど
作り方を知らない私には作れなかった。
料理はレシピがなくても作れるのに。
そんなことを考えて通り過ぎる日々
そんな僕にあの人は手を差し伸べてくれた。
その手を取った瞬間彼は「つめてっ」って言ったけど、決して離しはしなかったのを僕は今でも覚えている。
初めて僕と手をつないでくれた
たくさんの場所で違う名前で呼ばれていた僕に
初めて生涯変わらない名前をつけてくれた
初めて僕を抱きしめてくれた
初めて僕に料理を教えてくれた
僕の全てを受け止めてくれたのは彼が初めてだったんだ。
四宮小次郎、僕の大事な人。
そんな彼の進めてくれた学校、"遠月学園"
そこは世界でも有名な料理学校
彼の進める学校だから、僕は行くんだ。
理由は本当にそれだけ。
料理にはそこまでの興味はない。
ただ、彼は僕の作る料理、特に和菓子をとても褒めてくれる。
・・・・・・
このときの僕の第一は料理ではなく、彼だったんだ。
そうして僕は、堂島さんという彼の知り合いのおかげで秘密裏にあの遠月学園に編入した。