第23章 遠月をめぐる因縁
そうこうしているうちについに寮についた。
皆の声を聞き、一色がドアを開けるとすぐに雪乃が飛び込み、一色にひっしりと抱き着いた。
一色
「え!雪乃ちゃん!?な、なに、どうしたの!?」
あとに続いてぞろぞろと入ってくる一年組
吉野
「ごめんって!もう言わないからー!!」
吉野は一色にしがみついて顔を隠す雪乃に土下座をする。
榊
「悠姫・・・。」
あきれ顔で見守る榊の後ろにはバス酔いでフラフラな田所
伊武崎
「・・・何してんの?雪乃?」
そしてもうヤンデレと化した伊武崎がいた。
一色
「ええっと?」
状況を飲み込めない一色は困ったような顔をした。
するとずっと黙っていた雪乃がやっと声を出した。
雪乃
「た・・・」
一色
「た?」
雪乃
「ただいま・・・。」
一色
「・・・・おかえり。」
(それより早く状況が知りたいなーなんて・・・。)
が、伊武崎は急にいつものけだるそうな彼に戻り、部屋に向かった。
伊武崎
「言い過ぎた。頭冷やしてくるわ。」
最後にそう言って、雪乃の頭をポンポンとたたいたのだった。
そのまま流れで各自部屋に戻り、荷解きをした。
雪乃も立ち直り、一色に一礼してから戻った。
一人残された一色は思う。
一色
(あれ、合宿で仲悪くなった!?これは・・・僕がなんとかしないと・・・!!)
数時間後、幸平が遅れて到着し、一色は寮生全員に「お疲れ会を開催するから集まってくれ!」と招集をかけたのだった。
もちろん、場所は丸井の部屋。
丸井
(だからなんで・・・以下略。えぇ!?)