第21章 踊る料理人
『終了ー!そこまでだ!!』
幸平
「っふー・・・。」
安堵の息を漏らしたのは幸平だけではなかった。
タクミ・田所
(よ、よかったぁ・・・。)
当の本人、幸平は汗だくで隣のエリナにどや顔をする。
エリナ
「なによその顔!時間ギリギリで達成なんて威張れることじゃ・・・」
イラつくエリナの言葉を遮ったのはアリスだった。
アリス
「びっくりだわ!!私てっきり8食くらいで止まってると思ってた!・・・なのにあんな曲芸で乗り切っちゃうなんてね・・・。なにあれ、雪乃の真似事のつもりかしら?」
ニヤニヤを黒い笑みをこぼすアリス
幸平
「・・・あ?何か悪いのかよ?」
アリスは幸平のその言葉を聞き、表情を変えた。
アリス
「私の雪乃をバカにしないで頂戴。真似すら出来てないわよ。」
幸平
「は?いつからお前の物になったんだよ。」
アリス
「あまり神話のようなものは信じないのだけれど・・・こればかりは前世からの因縁のようなものね。そうなるはずの運命だったんだわ。」
幸平
(こいつ大丈夫か・・・!?)
アリス
「そういえば、貴方にはまだ名乗ってなかったわね。私は薙切アリス。君たちの頂点に立つ者の名前よ。覚えておいて?」
そう高々に宣言したアリスだった。