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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第16章 ひと皿の記憶and敗北の苦み



四宮
「はっ、残念だったな。」

田所、幸平の反対側に立つ四宮は自分の完全勝利を当たり前のように笑った。

四宮
「まぁ、落ち込むことはないさ。当然の帰結ってやつなんだからな。んじゃ、明日も早いし俺は失礼する。お疲れさん。」

そして、未だ絶望の中にいる田所にお構いなしにこの場から去ろうとした。

田所
(ダメ・・・だった・・・。)

幸平
「田所・・・わりーな。力に・・・なれなかった。」

幸平は無理に笑顔を作り泣き出す田所を慰める。

幸平
「でもお前は胸張れよな。あんないい料理作ったんだからよ。」

当の田所は涙と悔しさで声を出せずにいた。

田所
(そんな、違うっ!創真くんは悪くないの・・・!私のせいで・・・創真くんまで・・・ごめんなさいっ・・・)

が、それを見た堂島はその場の空気を換える言動を起こす。

堂島
「実力の差は歴然・・・四宮の圧勝・・・というところだな。」

そう言いながらも堂島のコインは田所の皿の上にあげられた。

四宮
「勝負はもう着いたはずですが、それは何の真似でしょう?」

堂島の不可解な行動に驚きを隠せずにいる四宮

堂島
「む。いやなに、俺はこちらの品を評価したいと思ったのでな。票を投じさせてもらったまでだ。」

田所
「・・・!?」

このことにはやはり周りも動揺していたようで

ドナード
「堂島さん・・・?いったい何を・・・」

関守
「・・・・。」

四宮
「審査員でもないアンタが何を言い出すんだよ。しかもそっちの品を評価するだって?理解不能だぜ。」

堂島
「本当にわからないか?」

挑発的な笑みとともに四宮に向かって堂島はコインをはじいた。

四宮はそのコインを見事受け止め、尚も動揺する。

堂島
「田所くんが作った料理・・・その中に答えはあるぞ。」

四宮
「・・・?」

堂島
「四宮・・・お前今、停滞しいるな?」

その言葉に四宮は焦りを隠せずにいた。


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