第3章 歓迎会という名の祭
次に分かったのはこの寮メンバーは皆変人だということ。
榊さんは発酵系マニア
吉野さんはジビエガール
田所さんは東北の田舎育ちなだけあって面白い
伊武崎君は燻製マニアだったし、
一色先輩はすぐ脱ぐ
これはいつか訴えてやる。((
そして幸平君は本場を知っているらしい。
親から学んだもの、か。
うらやましくも、つぶしたくなる。
この極星寮には多くの畑などの所有地があるのもわかった。
食戟、というものの話も聞きたかったが、睡魔は強い。
僕の体力も限界が来ていた。
僕が「眠い」といったら、伊武崎が地下の部屋まで連れて行ってくれた。
その時彼は「ほら、化け物じゃない。ここの人は皆少し変なんだ。」とつぶやいてくれた。
北海道からここへ旅立ってからは時間の流れがものすごく早かった気がする。
それぐらいに楽しかったのかもしれない。
久しぶりだった。
こんなにぬくもりを感じたのは。
久しぶりだった。
あんなに笑ったのは。
久しぶりだった。
あの人以外に名前を呼ばれるのは。
久しぶりが、初めてのように感じられた。
それぐらいにうれしかったのかもしれない。
僕に居場所ができる。
そんな気がしたんだ。