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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第10章 過去の秘密



一方、玄関ですべてを聞いてしまった四宮は絶望に囚われる。

四宮
(俺が・・・俺の一言が、あいつの人生を壊したのか?)

自分の知らなかった二つの事実を真に受けれないでいると、急に扉が開いた。

伊武崎
「盗み聞きとは良いご趣味ですね、四宮さん?」

伊武崎はそう言って挟まっていた新聞紙をとって自分の頭の近くでひらひらとさせる。

我に返った四宮は挑発的な笑みを浮かべ、言った。

四宮
「わざと俺に聞こえるようにした奴が、よく言う。」

伊武崎
「俺、伊武崎俊。雪乃に惚れてます。」

四宮は感情の読めないポーカーフェイスに歯ぎしりを立てる。

四宮
「そうか・・・」

伊武崎
「あれ、全校生徒の前で宣言したように言えばいいじゃないですか。"雪乃は俺のだ"と。」

四宮は気まずい空気を流す

伊武崎
「その反応だと、やっぱり気にしているんですね。あのこと。」

四宮
「違う、俺が一番気にしているのは・・・」

四宮が言い切る前に遠くから大声が聞こえた。

幸平
「伊武崎ー!!消灯時間まであと2分しかねぇぞ!!早く吉野に雪乃返せー!」

廊下を走ってくる幸平はいつもの間抜け面だった。

一気に場の空気を持っていかれ、四宮はため息をつきその場を離れた。

伊武崎
「雪乃は許してても、俺は許してないんで。」

伊武崎のつぶやきを耳に残して・・・

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