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それはまるで、魔法のようで =食戟のソーマ=

第10章 過去の秘密



雪乃
「僕には、時間がないんだ。」

伊武崎は相槌もせず、ただ雪乃を見つめた。

雪乃
「僕が言わなかったら、お兄ちゃんはこのことを知らずにいてくれる。僕に対する態度や感情は今まで通りなんだ。」

伊武崎
「そうだろうね。」

雪乃
「どうせすぐ終わる人生なら、僕は今まで通りのお兄ちゃんと接したい。」

伊武崎はやっぱりか、という顔をした。

伊武崎
「話の途中で呪いなんて出てきたからすぐ感づいたよ、俺そんなバカじゃないし。それで・・・あと、何年?」

その問いに小さく微笑んだ雪乃は答えた。





雪乃
「4年。僕は二十歳に死ぬ運命なんだ。」





伊武崎は呆れ顔でため息をついた。

伊武崎
「で、ここまでさらして何強がってんのさ。」

そう言ったあと、伊武崎はそっと雪乃を抱きしめた。
すると、それを合図のように雪乃は大声で泣いた。

今までずっとためていたものをすべて涙にしてだした雪乃は数分間泣いたら疲れ切って寝てしまった。

伊武崎は眠ってしまった雪乃を再びベッドに横にさせる。

自分が羽織っていたはずの布団はいつの間にか床に落ちている。

今になって部屋の寒さに身震いをする。

そして、雪乃の額に軽くキスを落とし、玄関に向かった。

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