第10章 過去の秘密
それからお兄ちゃんは今までの留守に何をしていたかを語りだした。
なんとお兄ちゃんは僕の知らない、僕の生い立ちを調べつくしていたのだ。
たくさんの施設や児童相談所に行って、様々な人に話を聞いて・・・・
僕はそのおかげで今この話を出来るんだ。
自分に居場所などないと思っていた。
初めて僕と手をつないでくれた
たくさんの場所で違う名前で呼ばれていた僕に
初めて生涯変わらない名前をつけてくれた
初めて僕を抱きしめてくれた
初めて僕に料理を教えてくれた
僕の全てを受け止めてくれたのは彼が初めてだったんだ。