第5章 揺れるココロ
卜「入るぞ?」
『ちょっ、勝手に入ってこないでよ・・・。』
卜「わりぃ。これ、食うかと思って。…いるか?」
お皿の上には、おにぎりが三つ。片手じゃ持てないくらい、おっきなおにぎりだった。
『ありがと。いただきます。』
おにぎりをほおばった。
美味しい。
おにぎりがぼやけて、しずくが落ちた。
一滴、また一滴。
ほおばったおにぎりは、さっきよりしょっぱかった。
『しょっぱいよ!』
卜「泣いてるからにきまってんだろうがバーカ。
美味いもんは、泣いてから食え。」
その言葉で、あたしはさらに泣いた。
今度は、ちゃんと。
小さい子みたいに泣き続けるあたしの背中を、トイは何も言わずに擦り続けてくれた。