第3章 万事屋銀ちゃん
「ギャーギャーギャーギャーうるせーなァ。発情期ですかこのヤロー」
白髪の天パが耳をほじりながら気怠そうにこちらに歩いてきた
「なんだ旦那じゃねぇですかィ」
『旦那?総悟この白髪のおじいさんと知り合いなの?』
「誰がジジイだコラァ‼︎まだまだピチピチの二十代なんですけどォォォ⁉︎それを言うならお前だって…同じだ…ろ…うが…⁉︎」
えっ……?…………?
いや、まさか…そんな筈はねぇよ
アイツは死んだんだ………
それに生きてたとしたってもう二十後半だろ?
コイツはどう見たって15、6がいいとこ
だが、あの頃のそのものじゃねぇか………
「そ、総一郎くん?こ、この子はどちら様で?」
「旦那はまだ会ったことありやせんでしたか?うちの副長補佐官でさぁ。さん、この人は万事屋の旦那。最近何かと縁のある人でさぁ」
『そうなんだ。お初にお目にかかります、万事屋の旦那。自分、副長補佐官をしておりますと申します。以後お見知りおきを』
名前まで一緒じゃねぇぇかぁぁぁぁ⁉︎
「あのー、失礼ですけども、苗字もお聞かせ願えたらなーなんて…」
『すみません。自分、十年以降前の記憶を無くしておりまして、自分の名前すら覚えていないのです。このという名も本当に自分の名なのかどうか…』