第34章 なんか変だ
『俺、お茶いれてくるよ』
「お、おぉ。悪りぃな………って‼︎」
『うわぁっ‼︎』
俺は床に散らばった書類に滑り体勢を崩した
痛みが来るかと体を強張らせていたが、痛みの代わりに温かいぬくもりが俺を包んだ
「ったく、気を付けろ」
『ご、ごめん‼︎大丈夫?』
トシに後ろから抱きかかえられる体勢で受け止めらた
お礼を言って立ち上がろうとすると
腰に回った腕に力が込められ立ち上がれない
『トシ?』
振り向こうとしたが、トシが俺の首筋に顔を埋め息のかかる距離で囁いた
「何かあったら俺に言え。一人で悩むなよ」
煙草の臭いが鼻を擽る
いつもとは違う甘い空気に心臓がドキッと音を立てる
『わわわわわかった!お、俺お茶いれてくるから!』
トシの腕から逃れそそくさと部屋を飛び出した