第80章 再生の道へ
「ユウの六幻を直すのもいいけどさ、それならオレの鉄槌も直して欲しいさー」
「僕の左手だって」
「…アレンの左手はもう治ってんじゃんか」
「次回から、ですよ。次回から。コムイさんに治療されるくらいなら、南さんにして欲しいです…ほんと。切実にお願いしたい」
左手首を握って、く…っと涙を堪えるように呟くアレンの声はその言葉通り切実だった。
間近でアレンがコムイの手により、ドリルでガリガリと左手を削られ治療されているのを見たことがあるから、南もそこには同情してしまう。
できるならば代わってやりたい。
しかし寄生型イノセンスは装備型イノセンスよりも繊細で扱いが複雑だ。
あんなに雑に扱っているようで的確に治療できるのは、この教団ではコムイくらいではないだろうか。
「でもそれは難しいんじゃないかなぁ」
「へ?」
「なんでですか?」
そこにのほほんと口を挟んできたのはジョニー。
ラビとアレンの目が、何故という色を称えて向けられた。