第15章 神隠し
「とりあえず話を聞きましょう。村長さんを訪ねてみるのはどうですか」
「それがいいね。私、聞いてくるよ」
「僕も一緒に行きます」
近くの民家に向かう南をアレンが追う。
「おや?貴方は行かないんですか、ラビ殿」
「んー…アレンの方がこういうの得意そうだし。オレらは周りに集中してた方がいいさ」
「周り?」
オレの言葉にトマが辺りを見渡す。
説明を受けただけだと簡単な任務に思えたけど、この暗く漂う雰囲気は普通の村の雰囲気じゃない。
「はー…参ったな」
ただでさえ南を任務に同行させんのは反対だったのに。
嫌な予感がする。
「………」
オレの嫌な予感ってのは、割と当たるんだよな。