第59章 大人の遊び
「じゃあそういうおみせにいけばッロリコンせんようの!」
「守備範囲が広いだけで、俺別にロリコンじゃねぇから」
こんな子供に手を出してる時点で、立派なロリコンです。
高レベルなロリコンですから。
「それに"ごっこ"なんてつまんねぇだろ?本気でやるから、楽しいんだよ」
肌を這っていた手が、胸元へと伸びる。
つるつるの子供な胸を触られた時は流石に、
「ぎゃーっ!」
鳥肌全開で叫びました。
「うわ…色気のねぇ声…」
当たり前!
誰が見ず知らずのノアにつるつるの胸触られて、色気含んだ声なんて出しますか!
というか色気なんて元から持ってないから!
私にそんなもの求めないで下さい!
「…じゃあ南ちゃんは"こっち"かな」
「っなに…!」
鳥肌全開で暴れても、そんな私を易々と押さえ付けたまま。
胸元に触れていた手が───
ぞわっ
「っ──…!?」
それは今まで感じたことのない体感だった。
音も痛みもない。
でも確かに胸の奥に感じた。
まるで指先で体の内部を、撫でられるような感触。
「ちっさい心臓だな、簡単に握り込める。…わかる?」
顔を近付けて、金色の目が私の顔を覗き込む。
視界の隅に映る服の中に入り込んだ手首が、僅かに揺れる。
その動きと連動しているかのように、ぞわぞわと胸の奥が嫌な気配を感じた。
まるで胸の奥の…更に奥。
皮膚や骨や筋肉の下に隠された、その心臓を握られているかのような感覚。
「こうやって撫でると、ドキドキ脈打ってんね。かわいー」
「っ、は…ッ」
バクバクと心臓が鳴る。
その側面を撫でられているような感じたことのない感触に、息が上がった。
何これ。
何、これ。
「な、に…ッ」
「俺ね、この世の万物を好きに"選択"できるんだよ。こうして、この小さな心臓にだけ触れたいって思えば…胸に穴なんか開けなくたって、直接触れることができる」
何言ってるの、この人。
そんな非道理なこと、普通まかり通らない。