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わたしアホの子いけない子

第1章 新入生さん、入部おめでとう



今日は風が気持ちいいから走りに行こうかな。

お気に入りのハイカットを履いて、極限まで紐を下げて歩く度にお尻に当たるリュックを背負い玄関から外に出ると、ふわりと春の風が吹いた。

サイクルジャージに着替えるために部室に向かうとなぜか鍵が閉まっていて、そういえば今日はウェルカムレースだったか、とふいに思い出す。

「ま、トイレでいっか」

部室から一番近いトイレで自前のサイクルジャージに着替え、制服をリュックの中に入れて、トイレの個室から出る。

走ってる途中にちゃり部の人と会ったりしないかな。

新入部員とか、会ったら一緒に走ってみたいんだけどな。

浮き足立って自転車置き場に向かい、厳重にかけられた鍵を外す。

鼻歌を歌いながらリュックが背中に密着するくらいに紐を締め、メットをかぶった。

校門の方向に自転車を回転させる。

乗る。

漕ぐ。

ああ、風。

うん、やっぱりいい風だ。

「ひーめひめ、ひめ」

お気に入りのアニメソングを口遊みながら、

総北高校自転車競技部2年、半良遊馬は今日も元気に正門を走り抜ける。

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