第5章 優しい笑顔
『菜穂どうした?』
右耳を抑えながら戻って来た私に、葵が不思議そうな顔をして聞く。
『い、いや、なんでもない!!』
『なんでもありますって顔に書いてあるけど?』
詩穂の言葉に、咄嗟に両手で顔を隠す。
『さては、、日向さんに何か言われたな??』
私の赤面した顔を見て、にやけ顔をして面白がっている2人。
『まぁここではなんだから、静かな所でゆっくり聞くとするか!』
葵の提案で、私達はライブハウスを出てカフェに向かうことにした。
5分ほど歩いた先にある、私たちの溜まり場のカフェ。
各々飲み物を頼み、端っこのテーブル席に座る。
『で???さっきはなにがあったのかな??』
『ほらほらー、言ってみなさいー!』
いやいや、2人のにやけ顔尋常じゃなく気持ち悪い(笑)
『そんなにやけ顔されると話しにくいわ、、!!』
『え?顔が勝手に、、、』
『本当こゆ話好きなんだからー』
『当たり前でしょ!下ネタと恋愛トークは、私の得意分野だもん』
なにを得意げに言ってるんだ葵は、、。
そんな葵を隣で見ている詩穂は、クールを装いつつも、顔は正直だった。