第15章 赤い夫との豪邸
一言でいうと、不味いはずがない。私が味の余韻に浸っていると。
「お味はどうだい?」
『とっ………ても!美味しいです!!』
私はお義父さんの目を見て言った。
「そうか………。それは良かったよ」
お義父さんは私の感想に安心したのか安堵の表情で言った。
それからスープやデザートやらいろいろと運ばれていき私は全て食べ尽くした。
『ごちそうさまでした』
「美味しそうに食べてくれて見ていて温かい気持ちになったよ」
「美桜また戻ったらマナーの先生を呼ぼうか」
『是非お願いします………』
一応この赤司家の妻として一通りのマナーを学び、使ってきたのだがどうも美味しいものを食べたりするとおざなりになるらしい。
「あはははは。良い食べっぷりだったよ」
『すいませんでした………』
私は頭を下げた。
「はあ………。家ではいつもこんな感じなので」
「そうか。家での美桜さんも見てみたいものだな」
『やめてください…………』
私は顔を真っ赤にして言った。