第12章 赤い夫とキセキとの別れ
『出来たよー』
フレンチトーストの甘い香りがリビングに漂う。
「お!美味そう!!!」
大輝が身を乗り出す。
「美桜運ぶの手伝おうか?」
『ありがとー!!!』
「桃井。これを運んでくれ」
「はーい!!」
さつきがリビングに運んでくれた。
『さつきいい子だね。可愛いし。さつきと出会ってよかった』
「そうだね。中学の時とても良いマネージャーだったよ。相手校の情報をたくさん持っていたから試合に勝てたよ」
『さつきすご!!』
「美桜ちんと赤ちん早く食べよ〜」
「ああ」
「「『いただきます』」」
皆手を合わせて言った。
「美味しいですね」
「んーー!甘い!美味しー!!」
さつきとテツヤが言った。
「むっちゃうめえ!!」
「食パンっスよね?めっちゃトロトロっス!!」
『よかった。トロトロなんは昨日からつけておいたからだよ』
「それでトロトロになるんですね」
『前に雑誌で読んで真似してみた』
皆が感想を言ってくれるので私はとても嬉しかった。