第5章 ぷらすふぇすた♢
「あ、の、着付けは、できます」
「いーの。さっき頑張ってくれたから疲れたでしょ?だから俺にやらせて」
お夕飯を食べて、私達は近所の神社でやるお祭りに行こうとしている。
ホテルから花火が見えるんですよ?
という話を聞いて、直接行ってみようと決めていたのだ。
私は浴衣を用意した。
母と再婚した養父の亡き奥様が自分で仕立てた白地に大柄の紫の夕顔の浴衣を実家から送ってもらったのだ。
徹さんも何も言わなかったけどちゃんと用意していて、私が顔を塗っている間にサラサラと着付けてしまった。
紺に薄い紅紫の矢羽模様の浴衣に鈍黒の帯。
すごく綺麗で似合っている。
そして私の着付けもしてくれていた。