第3章 ぷらすゔぁかんす♢
「暑い…」
張り付くシャツをはがす。
「…」
及川くんは望み通りにしたくせに渋面だ。
「何?」
10分もすればシャツは今度は乾いてパリパリして不快感をかもしだしてくれるだろう。
その前に又海に入りたい。
「エロい…」
意味が分からないね。
この旅行の為に新調する私の水着がどうのとうるさいから選ばせてあげたし、ビキニ姿で歩くなんてアリエナイと云われてTシャツを着せたのも彼だ。
着衣泳はしんどいケド彼氏のお願いだから聞いてあげたのに。
「濡れてスケた感じが着てないよりエロい」
知らないよ!
こっちに防水ケースに入れたスマホを向けてくるので、手で遮る。