第18章 ➕ていまあ
「の、割に岩ちゃんには燁大胆だよね?」
徹さんの声に怒気が混ざる。
今日もお餅の最後の1個を半分貰ったらすごく怒られた。
「岩ちゃんの口から餅食べるとかさ!君は色々自覚が足りないよ!」
やっぱりアレが逆鱗に触れてしまった原因らしい。
岩泉さんは何というか、お兄さんみたいな?
実家の飼い犬のじろちゃんみたいな扱いなのだ。
だから何か口から食べ物をもらう位当たり前な気がしてしまう。
――勿論、彼が、インコの吐き戻しを与えるような気持ちを私に持っている自覚はある。
ただ、逃げ場がほしいのだ、私は。
徹さんの愛を試している。
ヤキモチをやいてほしい。
そして、岩泉さんという止り木を確保して自分の幸せを客観視して安心している。