第15章 ➕じはーど
「良いですよ?」
「浮気だぞ?」
岩泉さんが聞き返す。
「今更じゃないですか?」
私の言葉に、岩泉さんの片手があごにそえられる。
バタンッ
「ちょっと待ったァ!」
バーンッと引き戸が開いて、徹さんが入ってくる。
「玄関の鍵」
「幼馴染はね、合鍵くらい持ってるんだよ。それより君、何浮気しようとしてんの?」
徹さんの登場に、私は岩泉さんにしがみついた。
「岩ちゃん、何か弁明は?」
「過去のトラウマを思い出して泣く姿にムラムラした」
岩泉さんはひょうひょうとしたもので、なだめるように私の肩を撫でてくれる。