第10章 かけるばいんど✖️

引退の日。主将を務めた茉由と抱き合って又いつかオレンジのコートで会いたいねと話して。

「アリガト」

どちらともなく云った言葉を最後に私の高校バレーは終わりを告げた。

私は進学。
茉由は就職。

進路は分かたれて。
私達は一つの学舎を卒業し、
それぞれの新天地に旅立った。

幼馴染と初めての別れ。
でも今の私には彼女がくれたバレーがある。

私には才能も身長もない。
でも好きだから、きっとずっとやっていける。