第9章 まいなすりっぱぁ✂︎【Lv3】
似合わないなんて、知ってる。
知ってた。
「ねぇ、何とか云いなよ」
強く云われて、益々涙が出た。
「泣かせたかったワケじゃないのに…。
何で泣くの?」
及川さんは困り顔だ。
「セフレ?っていうの、良くないです」
云うと及川さんは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。
セックスフレンド――。
終わりの無い夜みたいな関係に、終止符を打ちたかった。
これが恋愛ならそんなもの知りたくない。
こんな苦しいのは嫌だ。
抱かれる度に勘違いしそうになる。
愛されているなんて。